自転している地球の回転軸(地軸)が、円を描くように振れる現象を歳差と呼びます。
天の赤道の北極は、約25800年周期で黄道の北極のまわりを一周します。ここでは歳差による位置変化を求める方法を説明します。

歳差による位置変化を求める

J.H.Lieskeらが1977年に発表した近似式を用いることにします。

t = (観測時のユリウス通日 - 2451545) / 36525
ζ0 = 2306″.2181 * t + 0″.30188 * t2 + 0″.017998 * t3
z = 2306″.2181 * t + 1″.09468 * t2 + 0″.018203 * t3
θ = 2004″.3109 * t - 0″.42665 * t2 - 0″.041833 * t3
# 2451545は2000年1月1日12時(世界時)のユリウス通日です。

固有運動と歳差を考慮した位置を、その天体の平均位置 (mean place) と呼びます。
平均位置の赤経α2、赤緯δ2、パラメーターL2、M2、N2は、
ζ0、z、θと固有運動のパラメーターL1、M1、N1を用いて下式で計算できます。

L2 = (cosζ0 * cosz * cosθ - sinζ0 * sinz) * L1 + (-sinζ0 * cosz * cosθ - cosζ0 * sinz) * M1 + (-cosz * sinθ) * N1
M2 = (cosζ0 * sinz * cosθ + sinζ0 * cosz) * L1 + (-sinζ0 * sinz * cosθ + cosζ0 * cosz) * M1 + (-sinz * sinθ) * N1
N2 = cosζ0 * sinθ * L1 + (-sinζ0 * sinθ) * M1 + cosθ * N1
α2 = atan(M2 / L2)
δ2 = asinN2

ただし、tanα2 = sinα2 / cosα2 = M2 / L2 なので、
L2 ≥ 0 かつ M2 ≥ 0 のとき、α2は第1象限(0h以上6h未満)、
L2 < 0 かつ M2 ≥ 0 のとき、α2は第2象限(6h以上12h未満)、
L2 < 0 かつ M2 < 0 のとき、α2は第3象限(12h以上18h未満)、
L2 ≥ 0 かつ M2 < 0 のとき、α2は第4象限(18h以上24h未満)とします。

歳差による位置変化を求めるプログラム

  年から10年間

赤経 ° 赤緯 °