年周光行差は地球の公転で天体の光が斜めに地球へ届くため、見かけの天体位置が1年周期で変化する現象のことです。 ここでは年周光行差による位置変化を求める方法を説明します。

光行差定数

光行差定数κは下記文献より、20″.49551と定義します。
The Astronomical Almanac
2014 Selected Astronomical Constants
3 Other Constants : Constant of aberration at epoch J2000.0
http://asa.usno.navy.mil/static/files/2014/Astronomical_Constants_2014.txt

年周光行差による位置変化を求める

年周光行差まで考慮した位置を、その天体の視位置 (apparent place) と呼びます。
年周光行差を反映した赤経α5、赤緯δ5、パラメーターL5、M5、N5は、 太陽の幾何学的黄経λ平均黄道傾斜角ε、光行差定数κと、 固有運動から年周視差を反映したパラメーターL4、M4、N4を用いて下式で計算できます。

κ = 20.49551 / 3600 * π / 180
Lκ = (1 - L42) * sinλ + L4 * M4 * cosλ * cosε + L4 * N4 * cosλ * sinε
Mκ = -L4 * M4 * sinλ - (1 - M42) * cosλ * cosε + M4 * N4 * cosλ * sinε
Nκ = -L4 * N4 * sinλ + M4 * N4 * cosλ * cosε - (1 - N42) * cosλ * sinε
L5 = L4 + κ * Lκ
M5 = M4 + κ * Mκ
N5 = N4 + κ * Nκ

したがって、年周光行差を反映した赤経α5と赤緯δ5は、

tanα5 = M5 / L5
sinδ5 = N5

ただし、tanα5 = sinα5 / cosα5 = M5 / L5 なので、
L5 ≥ 0 かつ M5 ≥ 0 のとき、α5は第1象限(0h以上6h未満)、
L5 < 0 かつ M5 ≥ 0 のとき、α5は第2象限(6h以上12h未満)、
L5 < 0 かつ M5 < 0 のとき、α5は第3象限(12h以上18h未満)、
L5 ≥ 0 かつ M5 < 0 のとき、α5は第4象限(18h以上24h未満)とします。

年周光行差による位置変化を求めるプログラム
観測日0時(世界時)の天体について、年周光行差による赤道座標の位置変化を一ヶ月分表示します。

  赤経 ° 赤緯 ° 年