年周視差は地球の公転周期に伴い見かけの天体位置が変化する現象のことです。
ここでは年周視差による位置変化を求める方法を説明します。

太陽位置の方向余弦を求める

太陽位置の方向余弦Ls、Ms、Nsは、 太陽の幾何学的黄経λ平均黄道傾斜角εを用いて下式で計算できます。

Ls = cosλ
Ms = sinλ * cosε
Ns = sinλ * sinε

年周視差による位置変化を求める

年周視差を考慮した赤経α4、赤緯δ4、パラメーターL4、M4、N4は、 年周視差π[rad]、太陽位置の方向余弦Ls、Ms、Nsと、 真位置(固有運動+歳差+章動)のパラメーターL3、M3、N3を用いて下式で計算できます。

L4 = L3 + π * ((1 - L32) * Ls - L3 * M3 * Ms - L3 * N3 * Ns)
M4 = M3 + π * (-L3 * M3 * Ls + (1 - M32) * Ms - M3 * N3 * Ns)
N4 = N3 + π * (-L3 * N3 * Ls - M3 * N3 * Ms + (1 - N32) * Ns)
α4 = atan(M3 / L3)
δ4 = asinN3

ただし、tanα4 = sinα4 / cosα4 = M4 / L4 なので、
L4 ≥ 0 かつ M4 ≥ 0 のとき、α4は第1象限(0h以上6h未満)、
L4 < 0 かつ M4 ≥ 0 のとき、α4は第2象限(6h以上12h未満)、
L4 < 0 かつ M4 < 0 のとき、α4は第3象限(12h以上18h未満)、
L4 ≥ 0 かつ M4 < 0 のとき、α4は第4象限(18h以上24h未満)とします。

年周視差による位置変化を求めるプログラム

観測日0時(世界時)の天体について、年周視差による赤道座標の位置変化を一ヶ月分表示します。

  赤経 ° 赤緯 ° 年周視差 ″  年