地平座標は天体の位置を表す天球座標系の一つです。ここでは地平座標の性質と赤道座標から地平座標を求める方法を理解します。

地平座標の性質

地平座標は2つの座標値で表されます。

  • 方位角(A)
  • 高度(h)

球面三角形の法則

fig3

上図の球面三角形では球面三角法のページでまとめたように以下の法則が成り立ちます。

sinasinB = sinbsinA
sinacosB = cosbsinc - sinbcosccosA
cosa = cosbcosc + sinbsinccosA

この法則を用いて赤道座標から地平座標を求めます。

赤道座標から地平座標を求める

fig1

上図は球面三角形の法則で示した図を天球上に当てはめたものです。各記号の説明は以下の通りです。

A天の北極
B天頂
C地平座標を求める天体の位置
a辺BCと等しい中心角:90° - h (天頂距離)
b辺ACと等しい中心角:90° - δ
c辺ABと等しい中心角:90° - φ
O観測地点 (天球の中心)
N真北
S真南
PBとCを結ぶ大円が地平線と垂直に交わる点
H天体の時角
φ観測地の緯度
A地平座標の方位角
h地平座標の高度
α赤道座標の赤経
δ赤道座標の赤緯

球面三角形の法則より、

sin(90°-h)sin(360°-A) = sin(90°-δ)sinH
sin(90°-h)cos(360°-A) = cos(90°-δ)sin(90°-φ) - sin(90°-δ)cos(90°-φ)cosH
cos(90°-h) = cos(90°-δ)cos(90°-φ) + sin(90°-δ)sin(90°-φ)cosH

三角関数の余角公式より、

sin(90°-h) = cosh, cos(90°-h) = sinh
sin(90°-δ) = cosδ, cos(90°-δ) = sinδ
sin(90°-φ) = cosφ, cos(90°-φ) = sinφ

三角関数の補角公式より、

sin(360°-A) = -sinA
cos(360°-A) = cosA

したがって、

coshsinA = -cosδsinH
coshcosA = sinδcosφ - cosδsinφcosH
sinh = sinδsinφ + cosδcosφcosH

これで、時角Hと赤道座標の赤緯δから、方位角Aと高度hを求めることができます。

時角Hは、地方恒星時θと赤道座標の赤経αとの差で計算できます。

H = θ - α

赤道座標から地平座標を求めるプログラム

赤経 s  赤緯 + - °  ′  ″ 
恒星時 s  緯度 北緯 南緯 °  ′